囤型器(とんがたき)
登録番号 | R023503 |
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時代‧年代 | 隋唐 |
材質 | 磁 |
遺跡名 | 殷墟小屯遺跡 243号墓 |
遺跡所在地 | 中国河南省安陽県小屯村 |
寸法 | 高5.7cm 底径5.6cm |
概要
本件はやや弧形の円柱形器物であり、実際の名称と用途は未だ不明である。今まで張盛墓や橋村隋墓等の安陽隋墓でしか発見されていない。本所の發掘者は此れを「囤形器」と称している。また、外形は明器によく見る「倉」に類似するとし、他の報告書類では「奩狀器」と称している。内部は空洞で、底部中央に円孔を一つ有する。よく比較してみると構造上、倉や奩と部分的に異なることがわかる。其の外型はむしろ陝西隋大業六年(西暦610年)で出土された一件の陶磁製白罐、或いは唐代法門寺地宮で出土された香宝子 (香料を入れておくための円筒状の壷) に類似する。本器は鼎形香炉內に置かれた状態で出土され、安陽橋村で出土された「奩状器」は薫炉の横に置かれていた。本件は陶磁製罐や香宝子と異なり、全器が密封され一体化していた。それは別の用途があった為か、それとも明器として敢えて簡化されて製作された為かは不明であるが、おそらく薫香や仏教に関係する用途が有ったことが推測出来る。